Microsoftが「Bing Chat Enterprise」を発表 企業・法人が業務用途で利用可能

AI

米マイクロソフトが2023年7月18日に、「Bing Chat Enterprise」を発表しました。
これまでのBingのAIチャットにデータ保護の観点を加え、業務用途で利用できるようになりました。

今までBing ChatもChatGPTもチャットデータが学習に利用される懸念点があり、業務での活用を制限している企業がほとんどでしたが、このサービスを発表したことで、学習されるという唯一の懸念点がなくなり、多くの企業が利用することが想定されます。

マイクロソフトでもチャットデータに直接アクセスできないようなので、情報流出の心配もなさそうです。

Bing Chat Enterpriseが利用できるプラン

以下のプランでは追加コストなしに利用できるようになり、1ユーザー当たり月額5ドルで利用できるスタンドアロンプランも提供される予定となっています。

  • Microsoft 365 E3
  • Microsoft 365 E5
  • Microsoft 365 Business Standard
  • Microsoft 365 Business Premium

いつから利用できるか

2023年7月18日時点ですでにプレビュー版の提供が開始したため、今すぐにでも利用を開始することが出来ます。

有効化するには管理コントロールから有効化する必要があります。実際に設定が反映されるまでには、2~4時間程度掛かるとのことです。

またその設定は、2023年8月17日には規定で有効化されるようになるため、不要な場合は、手動で無効化する作業が発生します。

この発表で社内版GPTが不要に

これまでの学習されるという懸念点から、マイクロソフトのOpenAI Serviceを利用した社内版ChatGPTの開発を進めていた企業が多くいました。

もし上記のプランに既に加入済みの場合は、追加コスト不要で利用できるようになるため、その開発自体が不要になってしまいます。

独自に開発・導入してしまったGPTは無駄になってしまうのか

そのまま社内版GPTを放置してしまったら無駄になってしまいます。しかし生き残る道はあるのではないかと思っています。

Azure OpenAI Service On Your Dataという機能を少し前にマイクロソフトが発表しており、こちらの機能を組み込むとChatの回答に自社データを反映させた結果が返ってくるようになります。

仕組みを簡単に説明しますと、OpenAI Serviceを用いて作成したチャットを通じ、Azure Cognitive Searchが自社のBlobやStorageに検索しに行き、その検索結果をチャットが受け取り、わかりやすく情報を整理したうえでユーザーに返してくれるようになります。

このような機能を付加することが出来れば、データ保護だけではなく、自社情報を返してくれる専用のChatGPTが出来上がるため、Bing Chat Enterpriseに対抗できる可能性があります。

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