競馬を始めたばかりの人が最初につまずきやすいのが「回収率」と「的中率」の意味と計算方法です。なんとなく「当たる確率」と「お金の戻り」くらいのイメージはあっても、正確に計算できる人は意外と少ないもの。この記事では、競馬初心者の方でも迷わないように、例を使いながらわかりやすく解説します。この記事を読めば、あなたも今日から数字を使って自分の予想力を客観的に評価できるようになります!
回収率とは?「どれだけお金が戻ってきたか」を示す数字
まず最初に覚えておきたいのが「回収率」です。
簡単に言うと、「使ったお金に対して、どれくらい戻ってきたか」をパーセンテージで表したものです。
回収率の基本式
\text{回収率(\%)} = \frac{\text{払い戻し金額}}{\text{購入金額}} \times 100
例えば、1レースにつき100円ずつ10レースを購入したとします。
合計で 1,000円 を使いました。
その結果、払い戻しが 1,200円 あったとすると…
\frac{1,200}{1,000} \times 100 = 120\%
つまり 回収率は120% になります。
これは、使ったお金より20%多く戻ってきたという意味です。
逆に800円しか戻ってこなければ80%。20%負けたということになります。
回収率は「一発の高配当」でも大きく変わる
例えば、9レース連続で外しても、最後の1レースで100円が高配当馬券に当たって1万円戻ってきた場合、回収率は1,000%。つまり 1回の的中で全体の数字を一気に押し上げることが可能です。
このため、回収率は「的中数」よりもどの馬券が当たったか(配当の高さ)が大きく影響します。だからこそ、少しずつ的中しているのに回収率が伸びない、ということもよく起こります。
的中率とは?「どれくらい当たっているか」を表す数字
次に覚えたいのが「的中率」です。
的中率は 購入したレースのうち、何レースで当たったかを示します。
的中率の基本式
\text{的中率(%)} = \frac{\text{的中レース数}}{\text{購入レース数}} \times 100
例えば、10レース購入して3レース的中した場合…
\frac{3}{10} \times 100 = 30\%
つまり 的中率は30% ということになります。
的中率が高くても勝てるとは限らない
ここで注意したいのは、的中率が高い=勝っている、というわけではないという点です。
例えば、毎回人気馬に100円ずつ単勝で賭けていれば、的中率は高くなりやすいです。しかしオッズが低いため、回収率は100%を超えにくいことが多いのです。
逆に、穴馬ばかり狙っていれば的中率は低いかもしれませんが、たまに的中すれば一撃で回収率が跳ね上がることもあります。
つまり、「当たっている数」だけで成績を判断するのは危険ということですね。
回収率と的中率の関係を理解しよう
初心者のうちは「とにかく当てたい」と思いがちですが、回収率と的中率は別物です。両方をバランスよく見ることが大切です。
指標 | 意味 | 特徴 |
---|---|---|
回収率 | 投資した金額に対して、どれくらい戻ってきたか | 高配当1発で大きく上がる |
的中率 | 予想が当たった割合 | 人気馬中心だと高くなりやすい |
例えば、AさんとBさんの2人がいたとします。
- Aさん:10レース中6レース的中(的中率60%)、払い戻しは800円 → 回収率80%
- Bさん:10レース中1レース的中(的中率10%)、払い戻しは2,000円 → 回収率200%
このように、的中率が高くても回収率で負けることは普通にあります。数字の見方を間違えると、自分の予想を正しく評価できなくなってしまいます。
実際の計算例:自分の成績をチェックしてみよう
ここでは、実際に自分の成績を記録・計算する方法を紹介します。
エクセルやスプレッドシートを使えば簡単です。
例:5レース購入した場合
レース | 購入金額 | 払い戻し金額 | 的中 |
---|---|---|---|
1R | 100円 | 0円 | × |
2R | 100円 | 0円 | × |
3R | 100円 | 1,500円 | ○ |
4R | 100円 | 0円 | × |
5R | 100円 | 0円 | × |
- 総購入金額:500円
- 総払い戻し金額:1,500円
- 的中レース数:1/5
計算すると…
\text{回収率} : \frac{1,500}{500} \times 100 = 300\%
\text{的中率} : \frac{1}{5} \times 100 = 20\%
たった1回の的中でも、配当が高ければ回収率は一気に跳ね上がります!
この例では1,500円の的中で回収率300%。つまり、少ない的中でも高配当を取れれば全体の成績をプラスにできる可能性があるということです。
回収率と的中率を活かすコツ
数字を出しただけでは意味がありません。大切なのは分析して改善することです。ここでは、初心者でもすぐに実践できるコツを4つ紹介します。
1. 的中率だけを追いすぎない
的中率が高いからといって勝てるとは限りません。低オッズを当て続けてもプラスにならないことが多いです。回収率とのバランスを意識しましょう。
2. 回収率が一時的に高くても浮かれない
高配当が一発当たれば一気に回収率が上がりますが、それが偶然の一撃かもしれません。数十レース単位で見ることが大切です。短期的な数字に一喜一憂せず、冷静に分析する姿勢が重要です。
3. レース種別・馬券種別ごとに記録する
単勝・馬連・三連単など、馬券の種類ごとに回収率・的中率を分けて記録すると、自分が得意な馬券が見えてきます。例えば「単勝では勝っているけど三連単はマイナスが続いている」など、具体的な改善点が見えてきます。
4. 期待値(オッズ×的中確率)を意識する
少し慣れてきたら「期待値」を意識するのもおすすめです。
オッズ × 自分の予想的中確率 > 1.0 の馬券を狙えると、長期的にプラスになる可能性が高まります。これはプロや上級者も意識している考え方です。
まとめ:数字で振り返ると競馬がもっと楽しくなる
「回収率」と「的中率」は、競馬をただの“運”で終わらせないための重要な指標です。
初心者のうちは難しく感じるかもしれませんが、一度理解してしまえば自分の予想を冷静に評価できる武器になります。
- 回収率 → お金の増減
- 的中率 → 当たった割合
- 両方を記録・分析することで、予想のクセや弱点が見えてくる
まずは1日分の成績からでもOK。Excelやノートに記録してみましょう。数字で競馬を見ると、「なんとなく買う」から一歩抜け出して、勝つための戦略が立てられるようになります。
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